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2012.9.22 bed“turn it off~彼方からの手紙~” ASPARAGUS 10th ANNIVERSARY“PARACHUTE TOUR”

今年活動10周年を迎え、昨年は盟友the band apartとの武道館公演を成功させたASPARAGUSと、3P3Bのレーベルメイトであり京都の若いバンドマンたちにも多大なる影響を与え続け、今も第一線で音を鳴らし続けているbed。「いつも京都はツアーで飛ばしてしまう」というASPARAGUSの声を聞き、「それなら京都を根城にしている自分たちが」とbedが立ち上がってこの日のツーマンライブが実現した。
貴重なツーマンを堪能できたオーディエンスはとてもラッキーとしか言いようのない、各バンド1時間ずつの濃いライブを繰り広げた。


定刻を少し過ぎたころに登場したのはbedの面々。1曲目から会場をすぐさま掌握し、オーディエンスをステージにくぎ付けにする。丁寧に音を重ね、安定のパフォーマンスで魅せてくる。息つく間も忘れてしまうような音にただ圧倒されるばかりであった。
緊張の糸がピンと張りつめたような雰囲気の中でVo/G山口が「大丈夫ですよ。僕らシリアスなバンドですが、陽気な連中です。(笑)」と言葉を投げかけると、ふっと会場がほぐされ、瞬時に和やかな温かい空気に入れ替わった。MCで場の雰囲気がほぐれたところで最新アルバム『ON OFF』から“シンク”“そのまま”を立て続けに披露。シンプルでありながらも、心にずっしり響く音はフロアにいた人々を揺らし、bedの余韻を残したままステージを後にした。


 
次にASPARAGUSが登場。いきなりファースト・アルバム『Tiger Style』から“APPROACH ME”、最新アルバム『PARAGRAPH』から“Analog Signal Processing”“ MEND OUR MINDS”とのっけから新旧キラーチューンをぶち込み会場は沸騰状態へ。アコギに持ち替えて、これぞアスパラ節というキラッキラのメロディが響く“YOUR LOVELY DOOL”や「流行らせたかったけど流行らなかったメラコア(メランコリック・コア)な曲をやります」と言って演奏された“TOO YOUNG”など、10周年を記念するにふさわしい、ベストアルバムを聴いているようなセットリストに心が躍った。


 
「10年、20年と長くやりたいと思ってASPARAGUSをやっております。これからもよろしくお願いします!」と今後への決意をさらっと表し、本編ラストの“FALLIN’DOWN”ではモッシュにダイブが巻き起こる盛り上がりを見せる。アンコールでは畳み掛けるように3曲を演奏。あっという間と思わせる全18曲を駆け抜けた。
 
全国30か所をめぐるASPARAGUSの10周年記念ツアー。ファイナルは渋谷公会堂という大舞台が待ち構えている。10年という年月は決して短いものではない。両バンドとも時代の流れに身をゆだねることも、流されることもなく自分たちのスタイルを貫いてきたからこそ、今こうしてステージを共有できたはずだ。さらに10年先もぶれることのない両者をまたこのステージで見たいと思ってやまない。

(Photo:ハブ(夜色きかんしゃ)/Text:岡安いつ美) 
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