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2013.01.14(Mon) MIYAKOTRON

20歳になった青年を祝う成人の日。10代だった若者が大人の仲間入りを果たすそんな日に、遊び心を忘れない大人たちが音と映像と照明を巧みに使い、見ても聴いても楽しめる愉快なイベント「MIYAKOTRON」をGROWLYにて開催された。
 
 この日は非常に個性の強いアーティストばかりが集結した。幻想的な空間へと連れて行かれたかと思えば、リアルを描きながら和やかな笑いのある空間へ変化していたりと、転換ごとに会場は様々な形へ姿を変えた。
 
 トップバッターのthe poはシンセサイザーとバンドの音を見事に融合させ、軽快なリズムに勢いを付けたメロディーで会場に活気を与えた。メンバー同士が互いに顔を見合い、息を合わせることによってそれぞれの音が共鳴し、その混ざり合ったメロディーが自然と体に染み込んできた。


the po
 
 続くtelephoniaはアニメのキャラクターになりきり、各々のセリフを言ってから演奏をし始め、持ち前のハイテンションでメロディーに言葉を合わせながらリズミカルに歌いだした。面白おかしく、けれども真面目に演奏し歌う姿に、誰しもが頬を緩ませていた。


telephonia
 
 3番目に登場したTinK'uは、力強い楽曲の中にどこか切なさを感じる男女のツインボーカルの声が重なって、未知なる空間を作り上げた。その異空間に心を吸い取られ、彼らが放つ独特のエネルギーに言いようのない心地よさを感じた。

TinK'u
 
 音と映像を駆使したgive me walletsのライブはまるで、ひとつの映画を見ているようだった。彼らは全身を覆うように映し出される映像と一体化して楽器を演奏。一曲一曲がひとつの章となり、一本のライブが終わった時、それはひとつの物語として完成する。その独特の空間に、片時も目を離すことができなかった。


give me wallets
 
 お次は若くして、自身の持つエネルギッシュなパワーでグングンと勢力を伸ばしてきているTequeolo Caliqueoloだ。それまでの雰囲気と一変し、彼らのもつパワフルな演奏力と、よく動くパフォーマンスで見るものを楽しせる。どの楽器も主張が強い中で何よりも力を持つ歌声は、各楽器から溢れ出すメロディーを自在に操り、聴く者の心を震わせた。

Tequeolo Caliqueolo
 
 トリを飾ったのは、会場をダンスフロアへと変貌させたココログラムだ。エレクトロサウンドを基本に二人が創り出す音楽は、耳馴染みしやすいメロディーでミラーボール等によって会場をカラーに染め、身体が勝手に踊り出すような空間を作り上げた。その軽快なリズムで現実とはかけ離れた雰囲気を作り上げることによって、会場全体に解放感を与えた。その楽しげなリズムはいつまでも耳の奥で鳴り止むことはなかった。

ココログラム
 
 爆弾低気圧と呼ばれる大寒波が来日し、思わず外に出たくなくなるような日に、足を運びこの空間に居合わせることが出来た人はラッキーだとしか言い様がない。それぞれのアーティストが放つ個性は、見るものに驚きと快楽を与え、身体の芯から楽しませてくれた。その変わらない個性に磨きをかけて帰ってきた時に、この同じステージで次はどう感じるのか、今から楽しみである。
 
(text:鎌田育美/photo:キムラユキ)
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