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2013.02.13(Wed) Mr.JiNGLES "MAGIC TUNES tour"

 2月のなんでもない平日にこれだけの人が集まるとは、そう思えたMr.JiNGLESの1st Short Albumツアー『MAGIC TUNES TOUR』。遠征して見に来てくれる人たちの為に関西でも特別なことをやりたいといった気持ちから、拠点にしている関東から離れて大阪にて初日を迎えた今回のツアー。そんな序盤の5本目を同じく関西であるここ京都にて開催し、会場を瞬く間に遊び場に仕立てた。
 
 どのバンドもレコ発であるMr.JiNGLESを祝すようなライブを披露した。各バンドが自分たちの信じるスタイルを貫き演奏する姿は、みな一生懸命で揺ぎがなかった。
 
 その中でもとびっきり輝いていたのは、大阪出身のNOAとトリを飾ったMr.JiNGLESだ!NOAは持ち前の哀愁漂う声に2ビートの勢い溢れるメロディックな音楽で、グイグイと攻め込んでくる。GtのアキとBaのポッキーが交互にヴォーカルを努め、”静”と”動”を見事に使い分けながら、重みのあるサウンドで会場全体を覆う。そんな彼らの奏でるメロディは個々の音がはっきり主張しつつも、上手に絡み合っているためにすんなりと耳に入ってくる。その心地よさと彼らの放つ力強いエネルギーに圧倒された。
 
 そして、新譜を引っさげて登場したMr.JiNGLES。バンド名の頭文字"M”と彼らの名前の頭文字から名付けられた楽曲”Princess Miry”からスタートし、フロアの温度を一気に上昇させた。メルヘンパンクバンドと称される彼らの音楽は、音を耳にした瞬間ついニヤけてしまうようなワクワクするポップな楽曲が多く、どの曲もキラキラと輝いており、疾走感溢れるメロディにハイトーンヴォイスが綺麗に重なり合う。一曲一曲に感情を込めて歌うVo&Baのレイジの声に呼応するように、フロアではモッシュが起こり、スカダンスが始まり、ダイバーが現れたりと、多種多様に変化していく。中盤では、彼らの楽曲のキラーチェーンである"BLESS YOU"によって更なる盛り上がりを見せる。その勢いのまま終盤まで突っ走り、本編最後は風に舞うように"Lily Sprite"を歌い、その優しいメロディで会場を包み込んだ。
 
 アンコールでは笑顔でステージに舞い戻ってきてから、初期の楽曲“Darlin' Darlin'”を披露して、オーディエンスの心により火をつける。「また遊びにくるから、お互いちょっとずつかっこいい人間になって、また会おうぜ」そう言い残し、ダブルアンコールでバンドを始めた当初からの想いの詰まった"Everything"にて締めくくった。
 
 ひとつのツアーの中で、またひとつのライブが終わった。3月まで続くツアーの中で、ここ京都でのライブはその通過点に過ぎない。なぜならこのツアー自体そのものが彼らの成長の通過点に過ぎないからである。そうした数々のライブの最後にいつも掲げるピースサイン。あの全力の笑顔と共に掲げられたピースサインをきっとこの先も忘れることは出来ない。また、いつの日かここに戻ってきた時に、かっこよくなったMr.JiNGLESとあの幸せなピースサインが見られる日を願って止まない。
 
(文:鎌田育美) 
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